7月16日、最高人民法院は「最高人民法院特許紛争事件の審理における法律適用問題に関する若干の規定の改正決定」(意見募集稿)を公布し、社会に向けて意見及び提案を募集した。意見募集期間は1ヶ月で、2014年8月15日までである。
意見募集稿の内容は以下である。
一、第5条第2項 権利侵害行為地には、発明特許権、実用新案権を侵害する製品の製造、使用、販売許諾、販売、輸入などの行為の実施地、特許方法使用行為の実施地、当該特許方法により直接取得した製品の使用、販売許諾、販売、輸入などの行為の実施地、意匠権製品の製造、販売許諾、販売、輸入などの行為の実施地、他人特許詐称行為の実施地、上記権利侵害行為の結果発生地が含まれる。
二、第8条第1項 出願日が2009年10月1日前(当該日を含まない)の実用新案権を主張して侵害訴訟を提起する場合、原告が提訴の際に国務院特許行政部門が作成した検索報告を提示することができる。出願日が2009年10月1日以降の実用新案権又は意匠権を主張して侵害訴訟を提起する場合、原告が提訴の際に国務院特許行政部門が作成した特許権評価報告を提示することができる。人民法院は、原告に検索報告又は特許権評価報告の提出を要求することができ、原告が正当な理由なく提出を拒否する場合、人民法院は訴訟を中止する裁定を行うことができる。
三、第9条第1号 原告が提出した検索報告または特許権評価報告に、実用新案または意匠の無効を招く事由がない場合。
四、第17条 特許法第59条第1項にいう「発明特許権又は実用新案権の保護範囲は、その権利請求の内容を基準とし、明細書及び図面は権利請求内容の解釈に用いることができる」とは、特許権の保護範囲は、権利請求書に記載された全ての技術特徴により確定される範囲を基準とすることを指し、それには当該技術特徴と同等の特徴により確定される範囲も含むものとする。
同等の特徴とは、記載された技術的特徴と基本的に相同する手段により、基本的に相同する機能を実現し、基本的に相同する効果をもたらし、且つ当該領域の普通の技術者が訴えられた権利侵害行為の発生日において、創造的な労働を経なくても連想できる特徴を指す。
五、第19条 他人の特許を詐称した場合、人民法院は特許法第63条の規定に基づき、その民事責任を追及することができる。特許業務管理部門が行政処罰を科さなかった場合、人民法院は民法通則第134条第3項の規定に基づき、民事制裁を科することができる。民事罰金の適用は特許法第63条の規定を参照して確定することができる。
六、第20条 特許法第65条に規定する権利者が権利侵害により受けた実際の損失は、特許権者の特許製品が権利侵害により減少した販売量の総数と特許製品ごとの合理的な利益との積により計算する。権利者の減少した販売量総数が確定し難い場合、権利侵害製品の市場販売総数と特許製品ごとの合理的利益との積を、権利者が権利侵害により受けた実際の損失とみなすことができる。
特許法第65条に規定する権利侵害者が権利侵害によって取得した利益は、当該権利侵害製品の市場販売総数と権利侵害製品の合理的な利益との積により計算する。権利侵害者が権利侵害により取得した利益は、一般に権利侵害者の営業利益により計算し、完全に権利侵害を業とする権利侵害者に対しては、販売利益により計算することができる。
七、第21条 権利者の損失又は権利侵害者が獲得した利益を確定することが難しく、特許許諾使用料を参照できる場合、人民法院が特許権の類型、権利侵害行為の性質及び情状、特許許諾の性質、範囲、時間などの要素を考慮し、当該特許許諾使用料の倍数を参照して合理的に賠償金額を確定することができる。特許許諾使用料を参考できず、又は特許許諾使用料が明かに合理的でない場合、人民法院は特許権の類型、権利侵害行為の性質及び情状などの要素を考慮し、特許法第65条第2項の規定に基づき、賠償金額を確定することができる。
八、第22条 権利者が権利侵害行為を制止するために支払った合理的な費用を主張する場合は、人民法院は特許法第65条に確定した賠償金額とは別に計算することができる。
九、第24条 特許法第11条、第69条にいう販売許諾とは、広告、店舗のショーウインドー内の陳列、展示会における展示などの方法を通じて商品販売の意思表示を行うことをいう。 |