また白書では、会員企業434社に対する《ビジネス環境調査》の結果、米国企業の中国における経営状況が極めてよいと報告している。調査対象企業の85%が2010年度の収入が増加し、78%が黒字を実現または大幅な黒字を出しており、63%の企業の利益が2009年度より高かった。また41%の企業で、中国における利益率が世界での利益率を超えたほか、83%の調査対象企業が2011年度には中国への投資を増やすと答えた。米国企業の中国市場への自信は大きく膨らんでいる。

　2010年、大興区法院は被告人劉兆龍の模倣登録商標罪案件を公開審理した。被告劉兆龍は2009年3月から9月までの間、北京市大興区黄村鎮海子角村を一時滞在地とし、登録商標権の所有者である保楽利加グループの許諾を得ずに、勝手に原料酒、酒瓶、酒瓶のふた、パッケージ箱、ふた密封機等の物品を購入後、瓶詰めすることによりシーバス·リーガル、バレンティーノ、マーテル、ヘネシー、ロイヤルサルート等の洋酒を自家製造し、物流委託輸送方式により外地に販売し、販売総額は201,507元にも達した。同年9月、公安機関が検査の過程で劉兆龍を逮捕した。大興区法院は審理後、法に則り、被告人劉兆龍に対して模倣登録商標罪で懲役四年の実刑、人民元15万元の罰金に処す判決を下した。

　英国駐中国大使館は感謝状の中で、大興区法院の素早い審判並びに公平な判決に非常に深い印象を受けたと述べたほか、本法院の本件の効率的な処理に対して感謝の意を述べた。

　本件は既に2010年度中国法院知的財産権司法保護十大案件の一つに入選している。

　賀化副局長から提供されたデータによると、去年、中国の特許出願件数は100万件を突破し、122万件に達したという。その内、国内発明特許出願件数は29万件余りに達し、同期比で27%を超える増加となった。今年の前半4ヶ月で中国の特許出願件数は急速に48%前後まで増加している。これらのデータを見ると、中国の革新の活力は、確かに大きく飛躍しており、知的財産権戦略が経済発展方式の転換の効果的な支えとなっていることが見て取れると賀化氏はいう。

　2008年6月5日、国務院は、《国家知的財産権戦略要綱》を印刷?発行した。要綱では、2020年までに中国を知的財産権の創造、運用、保護及び管理レベルの高い国にするよう目指すと宣言している。要綱で示した今後五年の目標は、自主知的財産権レベルの大幅な向上、知的財産権の運用効果の顕著な増強、知的財産権の保護状況の顕著な改善、全社会――特に市場主体の知的財産権意識の普遍的な向上である。

　続いて5月26日、シンポジウムは上海のヒルトンホテルで開催され、5月27日、広州の会議もシャングリラホテルで盛大に行われた。

　今回のシンポジウムは国際知的財産権訴訟に関して、中でも特に377調査部分については、華南地区で最大規模を誇り、最も専門レベルの高い国際シンポジウムとなった。専門家チームのほか、150社近い企業からの200名余りの役員が、本会議に参加した。

　今回のシンポジウムに参加した専門家は、今回のシンポジウムの組織運営を高く評価すると同時に、国際貿易が日増しに多くなる環境の中で、関連活動をさらに多く企画してほしい、企業の国際知的財産権訴訟への対応意識と能力を高めたいと述べた。