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No.98 Apr.28, 2014
 
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麗江
 
目 録
《2013年中国知的財産権保護状況》白書、発表
最高裁判所が司法解釈を公布、商標案件の管轄を明確に
馳名商標の認定と保護規定に関する公開意見を募集
中国国家革新指数、世界ランキング第19位まで上昇
中国、偽医薬品の取り締まりキャンペーンにより米“知的財産権保護者賞”を受賞
北京市、全国に先駆けて知的財産権法院を設立予定
集佳弁護士事務所担当の“聖象”馳名商標保護案件、 最高裁判所2013年度十大知的財産権案件に入選
世界商標会議総会アジア円卓プロジェクト討論会、集佳で開催
 
 
 
《2013年中国知的財産権保護状況》白書、発表

 
 近日、中国国家知識産権局は《2013年中国知的財産権保護状況》白書を発表した。白書では、2013年、中国政府が新知的財産権戦略の実施の本格化、知的財産権保護力の強化、知的財産権制度の構築、審査・認可登録、法執行、体制と能力の構築、宣伝、教育研修、国際協力等の面で画期的な進歩があった、との報告がなされた。

 2013年、中国の特許出願受理数が急激な増加を見せた。全年で受理した特許出願は237.7万件、前年比で15.9%の増となった。中でも発明特許出願は82.5万件、前年比で26.3%の増加、特許審査能力が引き続き向上されつつあることを示した。通年で実質的に完了させた発明特許の審査は累計35.5万件、前年比で3.1%の増を遂げたほか、《特許協力条約》により提出された国際出願の受理は通年で合計2.2924万件、前年比で15%の増加となった。また商標出願数も引き続き伸長を続けているほか、著作権登録業務も安定した成長を保っている。

 2013年、全国の行政法執行機関において、立案した知的財産権侵害と模倣劣悪商品の製造販売案件は26.2万件、司法機関への移送は4,550件、摘発した活動拠点は5,441ヶ所となった。また全国の公安機関において捜査解決した権利侵害模倣犯罪案件は合計5.5万件、摘発した犯罪容疑者は5.9万人であったほか、全国の検察機関で逮捕を許可した権利侵害模倣案件は合計9,161件、犯罪容疑者1.4万人、審査した起訴案件は1.4万件、2.3万人、全国の審判機関が審理を終了させた権利侵害模倣刑事案件は1.2万件、判決が有効となった人数は1.7万人に上った。

 
 
最高裁判所が司法解釈を公布、商標案件の管轄を明確に

 
 最高裁判所が、先日、人民法院審理商標案件の管轄と法律適用等に関わる問題について、関連司法解釈を発表、国務院工商行政管理部門商標評審委員会の出した再審理決定もしくは裁定を不服とする行政案件、ならびに工商行政管理部門の出した商標のその他の具体的な行政行為に関わる案件、商標権所属紛争案件等を不服とする13種類の商標案件について、裁判所がこれを受理すべき点を明確とした。
 
 
馳名商標の認定と保護規定に関する公開意見を募集

 
 4月14日、国家工商総局が《馳名商標認定と保護規定(改訂意見募集稿)》の公開意見の募集に関する公告を発表した。

 新たに改正された商標法及びその実施条例の徹底的な実践、馳名商標認定と保護業務の規範化のため、工商総局は、《馳名商標認定と保護規定》(国家工商行政管理総局令第5号)を改正し、《馳名商標認定と保護規定(改訂意見募集稿)》を起草、2014年4月14日から2014年5月13日まで、社会に向けて意見を公募する。

 主な改訂内容

 改訂稿は合計24条、第1条から第5条までは立法根拠、馳名商標の定義、認定主体と認定原則を明確とする。第6条から第10条までは、馳名商標保護の申請当事者の立場より、各種タイプ案件における保護認定請求の提出ならびに証拠資料の要求について、明確に規定する。第11条から第16条までは、馳名商標案件の処理プロセスと認定基準の規範化という2つの面から規定、第17、18条では、馳名商標の日常重点保護と馳名商標の被保護記録の適用の強化等の内容を含めて規定、第19条から第23条では、各級の工商行政管理部門の馳名商標認定と保護案件処理過程における責任と監督を明確にする。さらに第24条では、改訂後の文書施行日時を明確にした。

 案件処理に必要な法律的性質を強調

 改訂稿では、馳名商標は個々の案件ごとの認定、受動保護の原則の遵守を強調するとともに、保護認定請求の提出、案件受理(案件指示請求)、案件審理、認定(決定、裁定または意見つき回答)の発行から案件処理等までの各段階において、すべて馳名商標の認定は案件処理の必要性に起因し、案件処理の法定プロセスと要求により、馳名商標権者の合法的権益を着実に守るという法律精神を体現している。

 当事者の証拠資料の提出要求を明確に

 改訂稿では、実際の業務において形成された認定基準と証拠要求を総括分類し、規程形式により固定、細分化することにより、当事者と各種馳名商標案件の審査部門の掌握と遵守をより容易とした。同時に改訂稿では、商標局、商標評審委員会が馳名商標の認定に際し、商標法第14条第1款と本規定第10条に列記する各要素を総合的に考慮すべきだが、すべての要素を満たすことを前提とはしないことを強調している。

 さらに当事者と工商部門の業務職責を明確に

 改訂稿では、当事者が誠実信用原則を遵守し、事実に即した証拠資料の提出を保証すべきである点を明確にしている。さらに案件を受理した市級以上の工商部門には、案件の事実と当事者の提供する証拠資料の確認と審査、案件の指示請求の申告、案件処理と結果の申告、関連状況の確認への協力等の職責があること、省級工商部門には審査の確認、案件の指示請求の申告、案件処理状況の総括と申告、関連状況の確認への協力等の職責があること、商標局、商標評審委員会には、審理過程における馳名事実の認定と法律の適用に対して責任を負うことを明確にする。改訂稿では、さらに馳名商標業務に関与する各部門及びその人員の責任と監督について、具体的に規定する。

 馳名商標案件に関わる問題の処理に対する規範化

 一つは、商標違法案件の取り調べにおいて、地方工商部門が馳名商標案件の処理結果を商標局にフィードバックするよう求める。二つ目には、商標局、商標評審委員会が案件審理の過程において、地方工商行政管理部門が関連状況を確認する必要がある場合、地方工商行政管理部門が協力すべき、と規定する。三つ目には、商標違法案件の取り調べにおいて、偽称もしくは偽の証拠資料の提供等の不正手段により馳名商標の保護認定を得たものについては、案件の商標に関わる、すでに出した認定を取消すことができる(異議案件と評審案件については、すでに法定の司法審査プロセスがあるため、当該問題を重複して規定することはしない)。四つ目には、法により立案と審査職責を履行しない、もしくは関連規定により、事実に即した資料を提供しない地方工商行政管理部門については、一つ上の級の工商行政管理部門が通報し、改めるよう命じるものとしている。

 
 
中国国家革新指数、世界ランキング第19位まで上昇

 

 近日、中国科学技術発展戦略研究院が《国家革新指数報告2013》を発表した。報告では、中国の革新力が安定した上昇を示し、国家革新指数が世界主要40ヶ国の中で第19位に上昇、前年と比べて順位が1つ上がったことを示している。

 当該報告は、中国革新力の安定した上昇は、主に知的創造力の向上と革新環境の改善に起因するという。中でも知的創造点指数の順位は、前年の24位から18位に躍進した。これは主に発明特許出願と授権等の面での抜群の成績に起因する。中でも1万人の研究者当たりの発明特許授権数、1億ドル当たりの経済から産出される発明特許出願数は明らかに優勢であり、それぞれ第3位と第2位となっている。

 
 
中国、偽医薬品の取り締まりキャンペーンにより米“知的財産権保護者賞”を受賞

 

 中国警察のネットワーク上での偽医薬品製造販売犯罪を摘発する「雲端行動」が4月23日、ワシントンにおいて米国商会世界知的財産権センターの選ぶ「知的財産権保護者賞」を受賞した。

 米国商会世界知的財産権センターは、23日、第二回知的財産権保護者年会を開催、12の個人、企業、研究機構、消費者保護組織または公的機構に対し、本年度「知的財産権保護者賞」を授与した。その中で中国公安部経済犯罪偵査局が、2013年、ネットワーク上での偽医薬品製造販売犯罪を摘発する「雲端行動」により受賞、消費者を偽医薬品の危害から保護した成績が表彰された。

 これは本センターが、初めて外国の政府部門に本賞を授与したものである。

 
 
北京市、全国に先駆けて知的財産権法院を設立予定

 

 先日、北京市人民政府新聞弁公室の開催する「北京知的財産権保護状況」の記者会見で得た情報によると、北京市は全国に先がけて知的財産権法院を設立する予定だという。現在、すでにほぼ知的財産権法院案件の管轄、機構設置等の面での初歩調査、研究計画が完了し、上級法院に提出した段階である。

 
 
集佳弁護士事務所担当の“聖象”馳名商標保護案件、 最高裁判所2013年度十大知的財産権案件に入選

 
 

 最高人民法院が4月21日、2013年「中国法院10大知的財産権案件」を発表した。これには知的財産権民事、行政、刑事審判分野が網羅されており、集佳の担当した聖象集団有限公司と国家工商行政管理総局商標評審委員会、河北広太石膏砿業有限公司との商標争議行政紛争提審案【最高人民法院(2013)行提字第24号行政判決書】が入選に成功した。

 これは2009年以来、集佳弁護士事務所の担当する案件としては、最高院知的財産権十大案件の入選に成功した四件目の案件である。それ以前の三回は、それぞれ“BMW”商標権利侵害及び不正競争案件が最高人民法院2009年度十大知的財産権案件に入選、“拉菲”(LAFITE、)商標権利侵害及び不正競争案件と江淮自動車確認商標不権利侵害案件が、ともに最高人民法院2011年度十大知的財産権案件に入選、三一馳名商標案が2012年十大知的財産権案例に入選している。また集佳が歴代、最高院の十大知的財産権に選ばれた事例は、すべて民事権利侵害類案件だったが、今回の入選は集佳が商標権侵害の権利確認類行政訴訟案件の初の入選であるほか、本件は紆余曲折を経て、最終的に再審プロセスで勝利を得た意味において、典型的な意義がある。

 このほか最高院では、さらに2013年「中国法院典型知的財産権案例50件」を発表したが、これには集佳の担当した本田技研工業股份会社と江門気派摩托車有限公司、力帆実業(集団)股份有限公司、湘潭瑞騎力帆摩托車销售有限公司の意匠特許権の侵害紛争案、環球股份有限公司と青島際通文具有限公司、青島際通鉛筆有限公司、青島永旺東泰商業有限公司の商標権侵害紛争上訴案、博内特里塞文奥勒有限公司と中華人民共和国国家工商行政管理総局商標評審委員会、佛山市名仕実業有限公司商標争議行政紛争提審案の三事例も入選している。

 “聖象”馳名商標保護案件

 聖象集団有限公司と国家工商行政管理総局商標評審委員会、河北広太石膏砿業有限公司の商標争議行政紛争提審案【最高人民法院(2013)行提字第24号行政判決書】

 【事件の背景概要】聖象集団有限公司(聖象集団と略称)は、挙証商標“聖象及び図”の商標権者であり、当該商標は1997年5月14日に登録認可を得、“地板(フローリング板、以下同様)”等の商品上での使用が認可された。これに対して争議商標は、中国語の“聖象”及び立った大きなゾウの写実図形で構成されており、2003年3月21日に登録が認可された。出願者は河北広太石膏砿業有限公司(広太社と略称)、 “石膏、石膏板、セメント”等の商品上での使用が認可された。2006年2月21日、聖象集団は国家工商行政管理総局商標評審委員会(商標評審委員会と略称)に対し、争議商標の取消しの申請を提出した。その理由は争議商標がその馳名商標に対する悪意による模倣であり、争議商標の使用指定の商品“石膏、セメント”等は、挙証商標の使用が認可された“地板”等の商品との関連性がきわめて強く、聖象集団のフローリング板業界における極めて高い知名度と影響力、ならびに上記の商品の機能用途がすべて建築用材料であることを考え合わせると、消費者がこれらの商品を購入使用する際、上記の商品の生産者について、きわめて誤認混同を起こしやすい、とした。2009年8月31日、商標評審委員会は、商評字〔2009〕第23269号商標争議裁定を出し、本件の証拠は争議商標の登録が、不当手段をとった聖象集団商標に対する悪意による冒認出願と証明するには不十分であると認定、争議商標の維持を裁定した。聖象集団は本裁定を不服とし、北京市第一中級人民法院に訴訟を起こした。北京市第一中級人民法院は審理を経て、聖象集団及びその関連会社は、関連する宣伝と使用行為を通じて、その“聖象及び図”商標は、本案争議商標の出願日(2001年)の前からすでに中国で充分に広く関連公衆に知られており、商標法第13条の保護を受けるべきだと見なし、商標評審委員会第23269号商標争議裁定を撤回する判決を下した。商標評審委員会と広太社は、ともに一審判決を不服とし、それぞれ北京市高級人民法院に上訴した。北京市高級人民法院は審理を経た後、本件の関連証拠は、挙証商標について争議商標の出願日前にすでに「馳名(有名)商標」が成立していたと証明するには不十分であるとして一審判決を却下し、商標評審委員会第23269号裁定を支持した。聖象集団は本判決を不服とし、最高人民法院に再審を申請した。最高人民法院は審査を経た後、本案を提審するとともに、提審判決を出した。最高人民法院の判決は、関連公衆の聖象集団“聖象及び図”商標に対する認知度、聖象集団、聖象集団関連会社の本商標に対する持続的使用状況及び宣伝状況、関連メディアでの聖象集団及び“聖象及び図”の宣伝報道状況を考慮し、聖象集団の“聖象及び図”商標は、すでに馳名の程度に達している、と判断した。北京市高級人民法院の「挙証商標が争議商標の出願日前に馳名商標が成立していたと証明するには不十分である」に関する認定、認定事実、適用法律にはすべて間違いがあり、正されなければならない、本件の争議商標と挙証商標の全体的な視覚効果にほぼ違いはなく、石膏等の商品と挙証商標の使用を許可された商品「木地板(木製フローリング板)」は、ともに建築資材であり、広太社は建築資材の生産メーカとして、本挙証商標の知名度を知っているはずであり、それでもなお本挙証商標と極めて類似する標識を商標として出願したことは、聖象集団“聖象及び図”商標の模倣であり、商標法第13条第2款の規定に違反するため、取消すべきである、一審法院はこれについて事実を明確に認定し、適用した法律は正確であり、これを維持するべきであると判断した。これにより二審判決を却下し、一審判決を支持した。

 【典型的意義】本件では馳名商標の司法認定を通事て、商標権者の合法権益を保護した。これは正常な経済秩序の保護、「ブランド模倣」、「便乗」行為の阻止、有名企業のブランド構築の促進に積極的な意義がある。

 
 
世界商標会議総会アジア円卓プロジェクト討論会、集佳で開催

 
 

 新たに改正された《商標法》が、今年5月1日から施行される。新《商標法》は商標の授権権利確認にどのような影響があるのだろうか? どのようにすれば新《商標法》に関わる権利確認授権の規定を正しく理解し、よりよく商標権益を保護し、商標価値を上げ、商標権利侵害紛争を避けることができるのだろうか? 2014年4月18日、世界商標会議総会アジア円卓討論会が、集佳の研修室で開催され、メインゲストと集佳ならびにその他の事務所の代理人、弁護士合計40名余りのメンバーが、改正後の商標法の商標授権権利確認の新たな変化と重点問題について討論した。

 黄莺弁護士は、世界商標会議総会アジア円卓プロジェクトのメンバー及び北京代表として、本討論会の司会を務めた。討論会ではさらに最高人民法院の裁判官を招き、新商標法の主な内容及び特徴の紹介を受けるとともに、最高人民法院が最近公布した《商標法改正決定施行後の商標案件管轄に関する司法解釈》の焦点となる問題について、解説がなされた。このほか今回の《商標法》の改正について、出席者とともに「一標多類(一つの商標に複数の分類)」、「『審限」導入の規定』、「異議制度の変更」、「海外商標権利侵害案件の管轄」等の問題について議論した。